⒌森林管理と再生紙

古紙100%配合の再生紙には制約があります

   

●欧州製紙産業は“誤解”に対してこう反論します

 

※全ての紙が古紙含有率100%の再生紙、ということは理論的にあり得ません。焼却される紙も一定の割合であるわけですから、それでは縮小再生産となって、発展する経済に寄与できません。必ずバージンパルプを追加しなければなりません。用途に応じて、適切な含有率の印刷用紙が選ばれるべきなのです。

●欧州の製紙産業からはこんな調査も寄せられています

・伐採された木材のうち、製紙に利用されるのは11%に過ぎず、燃料と建材での利用が一番多くなっている。

・欧州の製紙業界は、木材とパルプの80%以上を欧州域内で調達しているが、欧州の森林は1950年時点より30%も拡大している。

・欧州では70%以上の紙がリサイクルされている。

・欧州の製紙業界で使われるエネルギーの54%は、バイオマスによるものである。

(Two Sides and Print Power Europe)

※製紙産業が森林管理に努めている様子が伺えます。実は、古紙が多く含まれる再生紙ほど、繊維が短くなって紙の強度が落ち、それだけ厚い紙をつくる必要があります。白色度も下がるため、塩素系の薬剤で脱墨処理をしなければなければなりません。かえって、森林への負担や環境負荷を高める恐れもあるのです。

森林保全のために古紙の回収こそ……

 資源の有効活用、再生資源の利用は、きわめて有効な環境対策となります。「紙」に関してもその例外ではなく、森林資源の保護や廃棄物削減という観点から、回収した古紙が適切に配合された再生紙が普及しています。
 再生紙というと古紙配合率100%でなければという風潮が強いようです。しかし、必ずしも100%に拘る根拠はなく、環境に悪影響を与えかねない“完璧な”再生紙はムリに製造しないようになっています。最近では、最適な配合率をもった多様な再生紙を、用途に応じて使い分ける傾向にあります。
 森林管理-製紙-印刷のプロセスは、サステナブル(持続可能)な社会に適合しているといってよいでしょう。印刷産業は置かれた立場を自認し、環境にやさしい紙を積極的に採用するとともに、用途に応じた最適な品目(銘柄)の採用、印刷工程上のムダ・ロスの防止に努めています。このような対応は、エコ意識の高いお客様に「環境に配慮した印刷メディア」を提供することにつながるのです。

印刷用紙はまさに“育てる”資材です

●製紙産業は森林資源の維持に全力を注いでいます

 製紙産業は、紙そのものを安定的に供給するだけでなく、「森林」「紙」「エネルギー」を上手に循環させて、資源を有効に活用している産業である。

・森林の有効活用―製紙産業は「持続可能な森林経営」の理念のもと、貴重な森林資源を後世まで守り、活用して育てていくことに注力してきた。

・紙の有効活用―製紙産業は、古紙をできる限り使い、再生技術を一段と向上させて、古紙利用製品の利用拡大に向けて、さらなる努力を続けている。

・エネルギーの有効活用―製紙産業は、バイオマスエネルギー(生物体から生成した有機性資源)や可燃性廃棄物を積極的に利用し、製紙過程において発せられるエネルギーや廃棄物の循環 に関して一翼を担っている。

(日本製紙連合会;「循環型産業について」総論=抜粋)

※日本における古紙回収率は80%、利用率は65%というハイレベルです。きちっと管理された森林からつくられているなら、紙は無計画に伐採する要因とはなり得ません。適切に管理された森林で育つ生き生きとした若い樹木は、大量のCO2を必要とします。CO2を吸収した分、酸素を生み出してくれます。

間伐材の上手な活用は環境にプラスになります

 森林は、ちょうど牛や羊などを飼育する「牧場」のような感覚で管理されています。樹木の種類によって定めた一定の年数を基準に、伐採と植樹を循環させています。そのような森林は公式な「認証制度」により社会的にも認知されています。印刷用紙、建材、家具材、もっと身近でいえば割り箸などは、古い樹木を切った間伐材や端材を原材料として製造されます。したがって、印刷用紙を使用することイコール森林の縮小ではありません。むしろ育成に力を注ぐことでことで、環境に貢献しているということができます。森林資源を無計画に伐採しない循環育成を通じて、CO2の吸収と酸素の生成に寄与しているのです。印刷に使われる紙は、適正に植林管理された森林で伐採された木材でつくられている以上、印刷物は電子メディアをはるかに上回る環境貢献度をもっていることがご理解いただけるでしょう。また、紙はプラスチック類とは違って、それ自体が再生可能な生分解性の素材です。資源(古紙)の回収、廃棄物の再利用という点からも、地球の温暖化防止に大きく貢献していることがわかります。

     

※環境保護印刷推進協議会提供

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