⒍大気汚染と水質汚濁の防止

VOCと排水を出さない工夫をしています

   

●印刷産業からのVOCは確実に抑制されています

 

※オフセット印刷とグラビア印刷を業とする5,000社余の印刷会社を対象にVOC削減の進捗状況を追跡した事例をご紹介しました。工場全体の生産設備の稼働状況、インキや溶剤、洗浄剤、接着剤ごとの使用量とVOC含有量、さらに回収・再利用の割合を分析しながら把握した数字です。目標を立て削減してきた様子がよくわかります。

《済んだ空気》をもっとクリーンに……

 大気を汚染する有害物質、とくにVOCが問題視され、「大気汚染防止法」で厳しく規制されています。印刷産業でも、業界の自主規制によって排出抑制に努めるとともに、代替物質への切り替え、除去装置の導入などで万全を期しています。VOCを含んでいない資機材・薬品に切り替えることがきわめて重要だと考えているのです。
 印刷インキを例に挙げれば、これまで一般的だった石油系溶剤からアロマフリー溶剤への移行、大豆油や植物油に由来するインキ(Non-VOCインキ)の採用が常識となっています。同様に、オフセット印刷方式で使う湿し水に関しても、アルコールをほとんど含有しないNon-VOC湿し水の採用、密閉型循環装置の導入でしっかりと対応しています。インキローラーやブランケット胴を拭くための洗浄剤の場合は、低VOC型への切り替え、自動洗浄装置の採用で対応できます。
 環境保護印刷推進協議会が制定する認証制度でも、インキ、湿し水、洗浄剤に焦点を当てて具体的な達成基準を定め、印刷会社に完全履行を義務づけています。

《きれいな水》をもっとクリアに……

 大気への影響と同じくらい重要視されているのが水質への影響です。印刷産業は「水質汚濁防止法」の規則に従って、有害物質の浄化処理、流出防止に取り組んでいます。印刷工場はどこでも、製版・刷版・印刷の各工程で発生する全ての廃液を、適切に回収・処理することに腐心しています。
刷版工程で使用される現像液は、強アルカリ性であるため環境負荷が高い廃液とみなされます。そこで、現像処理液を必要としないCTP、アルカリ現像液以外の処理液でおこなうCTPシステムが急速に普及して、水質汚濁防止に大きく貢献しました。
 印刷工程で用いる湿し水は、印刷ユニットと湿し水タンクの間を循環しているため、廃液が外に出る心配はありません。それでも、不純物が循環経路内に堆積してきますので、一定期間ごとに装置内の水を交換しなければなりません。そこで、濾過装置を循環経路内に組み込んで湿し水の交換頻度を少なくし、発生する廃液量を極力減らしています。決して表面に出ない努力ではありますが、液交換の期間を延ばすために、常日頃から細心のメンテナンスを怠らないようにしています。

     

※環境保護印刷推進協議会提供

このページのトップへ